【11月号掲載分】小谷田 潤|丸鍋(黒)
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2021/11/01 12:00 〜 2021/11/07 23:59

【11月号掲載分】小谷田 潤|丸鍋(黒)

¥17,600 税込

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【幸せって、小谷田潤の丸鍋で毎日ご飯を炊くってこと】 〈“炊”奏楽、これぞ食のオーヴァーチュア〉 シュー、プシュプシュプシュ、カンカンカン。炎とともに盛り上がる窮屈そうな空気と水蒸気。音を媒介にして押し寄せる妄想。そう、あの香ばしく甘い、炊きたてご飯の香り…… 総合芸術たり得るに十分な“食”の世界。その先陣を切るセレモニーこそ「お米を炊く」という行為ではないでしょうか? ここでご紹介する陶芸家・小谷田潤さんの手がける丸鍋(土鍋)は、そのセレモニーを存分に盛り上げてくれます。重み、ツヤ、佇まい、それぞれが“美味しく米を食す”という一点に向かって徒党を組み、高揚感高まる序曲を奏でることができるのです。少なくとも私にはそう思えます。 〈ハイブリッド奏法による快作!?〉 「小谷田潤という陶芸家を知ってしまった」 それは我が食卓におけるひとつの事件でした。余計なものを削ぎ落とした中に個性の光る器の数々。邪魔せず、引き立てる。ご馳走とテーブルの間の足りない部分をスッと埋めてくれる器。敢えて作家ものの器を使いたいと思わせてくれる、親しみ易さと特別感。小谷田さんが徹底している「“自分が使いたい器”を作る」という思想が、普段使いに適した丈夫さや、生のままのかっこ良さに映し出されているのだと思っています。 手紙社の起源でもある「もみじ市」に初回から皆勤賞で出店。4年に一度、手紙舎で大規模な個展を続けてくれている小谷田さんは、この「えりすぐり手紙舎」においても陶芸ジャンルの中で一番に登場して欲しい作家であることは間違いありません。 話を丸鍋に戻しましょう。小谷田さんの丸鍋には、修行時代に培ったふたつの技術が大きく関わっています。まずは、信楽の技術。これは、花器や植木鉢といった大きな器を作ることに長けています。次に、常滑の技術。これは急須のような蓋ものなど、より精巧さの求められる器を作ることに長けています。この2つの土地で修行を積んだことが、隙のない大きな蓋物である土鍋作りにつながっていたのですね。 当然ながらひとつひとつ手作業(それもひとりで)により作られる小谷田さんの器。八王子にあるアトリエ「ムササビ窯」にお邪魔してきたので、少し制作風景を見てみましょう。 (写真4枚目)アトリエの外に張ったテントの下にうず高く積まれていた粘土 毎年三重県の方から持ってくる粘土の量は2トンにもなるそうで、それを自ら車に人力で積んで運んでいるといいます。陶芸家でなければ手紙社のイベント運営チームに即スカウトしたいところ(テントや重り、テーブルなど重いものを運ぶ体力が手紙社のイベントチームには求められるのです)。 練り出した粘土を丸鍋の胴体と蓋、それぞれの分量だけ塊にして轆轤(ろくろ)にかけて成形していきます。 (写真5枚目)胴部分の成形 (写真6枚目)蓋部分の成形 大ぶりなものを作る技術、蓋や高台などをしっかりと安定させる技術、それらを長年の経験による感性で編み上げていきます。それでも、技術の確かさは大前提として、丸鍋を作るうえで最も大事にしているのは「可愛く作ること」なのだそうです。意外かもしれませんが“土鍋の宿命”との戦いがそこにはありました。丸鍋は大ぶりで湿気がこもることは良く無いので、食器棚にしまわずに出しておく必要があります。つまり「常に視界に入ってくるそれなりの存在感のもの」なのです。言わば必然的にインテリアの一部となってしまう。ならば機能性と見た目を両立させなければならない。特に使っていない時間の方が長いので、見た目の可愛さは外すことができないと考えるようになったのでした。 (写真7枚目) 成形された鍋は1週間かけて乾燥させた後素焼きに。そして2週間後に釉薬をかけて本焼きとなります。失敗すれば3週間が無駄になってしまうことを考えると、なかなかの緊張感。 (写真8枚目) 完成した丸鍋は、轆轤で成形した最初の状態からおよそ13%縮んでいるのだといいます。そこも含めてピタッと蓋まで合わせてくる技術。さすがの一言。それでも、技工所の職人さんのようにカッチリとは作っていないので、良い感じに個体ごとの個性が出ます。そこがまた魅力でもあります。 (写真9枚目) この小谷田さんの丸鍋、実は廃盤寸前になったことがありました。初めて商品として作ったのが2006年。2つだけ並べたそうです。しかし、すぐに世の中がガスから電気、IHへの流れになってしまったのです。直火にかけなければならない土鍋なんて需要が無いのではと考え、積極的に作るのを止めてしまいました。 復活のきっかけとなったのは東日本大震災でした。電気が常に安定供給されるとは限らないという事実、原子力発電への不安。様々な要素が直火への回帰につながっていきました。そして、人々のライフスタイル自体に関しても、手触りの良さ、手間暇をかける楽しさなど、“こしらえる”ところから味わうことの喜びが再認識されてきたように思えます。 〈手間? いえいえ、土鍋炊飯は限りなくシンプル〉 さて、土鍋の実用性についてネガティヴなイメージを持って、購入に踏み切れない方も多いのではないでしょうか? 美味しいに決まっている土鍋ご飯。使ったことの無い人には声を大にして言っておきたい。「簡単に手早く極上ご飯が食べられますよ!」と。 お米を洗って鍋に投入。水を入れて、中火から弱火に変えながら35分。たったのこれだけです。 (写真10枚目) ちなみにこれは小谷田さん自身の使い方。同じ小谷田家でも奥様の好みは高火力で一気に炊き上げる方法。強火から弱火への調整で、20分。さらに短時間で出来上がってしまいます。 【手紙舎での炊き方】 2合の場合:米300g 水360cc 3合の場合:米450g 水540cc 1. 米を研いだらザルに上げ水を切る 2. 水に浸し、できれば1時間、少なくとも30分放置 3. 強火からスタートし、沸騰したら(蒸気が吹き出るタイミングで)弱火へ 4. 弱火で15分 5. 火から下ろして、10分蒸らす(この時に開けないように!) 6. 10分後、ふっくら白米ご登場!! (写真11枚目)憧れの“おこげ”にも出会えます 小谷田さんの作る土鍋の魅力、少しでも伝わりましたでしょうか? 私が初めて小谷田さんの丸鍋を見た時の第一印象は、「巨大な(大名物の)茄子茶入れ」。だいぶ大げさですね(笑)。それほどまでに滋味深い輝きと佇まいがありました。茶釜として在ってもきっと趣き深いのだろうな、などとつい余計なことを考えてしまいましたが、まずは床の間に飾らないで、ぜひ毎日ガシガシ台所で使っていただきたいのです。 (文章:小池伊欧里 / 写真:柳川夏子、小池伊欧里) 《ご購入の前に》 ・土鍋を初めて使用する際には目止め処理を行う必要があります。 【目止めの手順】 1. 冷ご飯(無ければお米からでもOK)を用意し、水を土鍋八分目ほどまで入れ、弱火でゆっくりとお粥を炊いてください 2. お粥をなるべく、とろとろの状態になるまで炊いてください 3. そのまま一晩置いた後、お粥をあけて土鍋を洗い、風通しの良いところで乾燥させてください ・土鍋は「使ったら乾燥」を習慣づけると長持ちします。 ・手作業での制作なので、若干の個体差が生じます。 ・食洗機の使用は避けてください。 ・こちらの商品はネコポス対象外・宅急便でのお届けとなります。 《商品情報》 【素材】 陶器 【寸法】 口径Φ13cm / 底Φ11cm / w約24cm×h約20cm(蓋含む) 全体重量2kg 容量:4~5合 【調理機器】 ガスコンロ:OK IH(電子調理器):NG 食洗器:NG オーブン:OK ▼作り手の紹介ページはこちら https://tegamisha.shop/news/60659bb7230557184e643e50